本のレビュー「Adobe Muse ランディングページ制作ガイド」はまだ使える?!

 
今回レビューする本は「Adobe Muse ランディングページ制作ガイド」です。
皆さんも知っている通りAdobe Museが開発終了となってしまったため、Adobe Museの解説本であるこの本の価値も下がってしまった感が否めないのですが、今後この本の購入を考えている人の参考になるかもしれないと思い、レビューを書いておきます。

この本は説明書ではなく、実践書

まず前提として、この本はAdobe Museの説明書はありません。Museを使ってランディングページを作る際の操作/手順を学ぶ本です。
辞書的な使い方はしにくい反面、流れの中でMuseについて学ぶことになっていくので、より実践的な使い方を学習できるのではと思います。
一方で、Museの機能の中でも使い方が難しいと感じるコンポジションについては最低限の記述に抑えられているので、このあたりは自分で勉強する必要があります。

ランディングページ制作での考え方を学べる

この本では始めに、ランディングページについての説明があります。通常の企業サイトとは違い、ランディングページは訪問者の誘導、最終的には売り上げを目標としているので、そこに至るまでにはどのようにページを構成をするかということを、30pに渡り書かれています。
ランディングページの専門書ではないので分量的には多くはないのですが、基本的な構成は理解できると思います。

解説が非常に丁寧

この本の著者の境祐司さんは、ご自分でもサイトを運営していて、そこで色々なアプリケーションの説明をされています。私もMuseの操作を学ぶ際は、境さんのYoutube動画を何本も見ました。
私のように動画を見た方は同じ様に感じると思うのですが、境さんは説明が非常に丁寧です。まるでマンツーマンで指導するかの様に、操作の一つ一つを言語化しながら動画を収録しています。
そしてこの本も境さんの動画と同様 、操作手順を一つ一つ丁寧に説明しています。Museがマウスでの操作が中心のアプリケーションとはいえ、ここまで丁寧な解説があるならば、本の内容を学ぶ上で躓くことは殆どないと思います。

残念な点が2点

まず一つ目は、本のデザイン。文字が小さく文字間が不自然なので読みづらいです。書体はモリサワの中ゴシックか太ゴシックか見出しゴシックだと思うのですが、今はUD新丸ゴシック等、小さくても可読性に優れたフォントがあるので、そちらを使って欲しかったです。
また、紙面と比べて版面が大きいので周囲の余白が少なくなってしまい、圧迫感を感じます。
Museを説明するには画面のスクリーンショットを使わざるを得ず、それには画像が大きめに載せる必要があります。その結果、文字が小さくなり、版面が大きくなってしまったのだと思うのですが、それならばいっその事ページ数を増やすか、本自体を大きくしてほしかったです。

もう一つは著者である境さんのデザインです。境さんのデザインは全体的に大きく太く、といった感じで、率直にいえば「古い」です。雰囲気としては90〜00年代のイメージ、サッカー日本代表のポスターのような、ゴリゴリとしたデザインといえば分かりやすいでしょうか
現在の主流である繊細で洗練されたデザインとは真反対のテイストなので、デザインのサンプルという観点でみると、境さんのデザインは殆ど参考になりません。
私は境さんの動画を何本も見ていたので、どんなデザインをするのかは分かっていましたが、書籍化の際は出来れば外部のデザイナーを使って欲しいと密かに思っていました。

総評:ランディングページ用なら、Museとこの本はまだ使える(かもしれない)

一般にランディングページというものは、公開期間が短いものです。キャンペーンに対するコマーシャル的な意味合いがあるので、キャンペーンが終わればサイトも終了となります。
そういった意味ではMuseのサポートが終了する2020年3月までの期間で、ランディングページの公開→サイト終了の流れがあるなら、Museの使い道はある気がします。
また、Museの内容を差し引いても、ランディングサイトの構成を学ぶことができるので、全くの無駄になることばないと思います。
今後もMuseを使う予定があるならば、この本に目を通す価値はあると考えます。

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