【初心者向けグラフィックデザイン、その2】文字の色は写真の色から採る



初心者向けグラフィックデザイン、その2です。

前回はグラフィック上の文字の色を「黒・白・金赤」の3色で構成しました。
「黒・白・金赤」の3色が文字の色の基本となることは間違いないのですが、私たちの周りにあるグラフィックの文字には、前述の3色以外の多くの色が使用されています、
それらのグラフィックはどのようなルールで文字の色を決めているのか、
今回はそのルールの一つを紹介します。

文字の色は写真の色から採る。

早速実例を見ていきます。

「不能犯」DVD通常版
(amazonより)

写真は邦画「不能犯」のDVDのジャケットです。
全て文字には紫色が使用されていますが、これは主演の松坂桃李さんが着ている紫のシャツと同系色です。
また、この紫色は他のキービジュアルでも使用されており、映画全体のテーマカラーにもなっています。

次の例は「With」という女性誌の表紙です。

With 10月号(amazonより)

タイトルの文字には淡いピンク色が使用されていますが、これは表紙に写っている安室奈美恵さんの口紅の色から色を採っています。
タイトルの色としては弱いのですが、文字が大きいので雑誌の見分けは付くようになっています。また、引退間近の安室奈美恵さんが表紙ということで、雑誌タイトルよりも人物を優先している感があります。
このように女性誌の表紙の文字の色はモデルのメイクや着ている服から色を採っている場合が多いので、書店やコンビニで並んでいるのを見かけたら、意識してチェックしてみて下さい。

作例を使って解説。

今回も前回と同じ「ルート66のガイド雑誌」というコンセプトで、同写真、同デザインを使用して説明します。使う色は「黒・白」と「写真からの色」の3色です。

黒・白+写真からの色の文字を使って、3パターンの雑誌の表紙をデザイン。

1. 中央車線のオレンジ色を使用した場合

オレンジ色が目立っていて、タイトルとして適切な色です。
また、上下に同じ色を使うことにより、その空間で視線が往復する効果があります。

2. アスファルトのグレーっぽい色を使用した場合

見本で採り上げた女性誌のような淡い色使いとなります。写真との一体感が強すぎて、今回ような雑誌のタイトルとしては弱い印象です。

3. 空の淡い部分の色を使用した場合

タイトルが空に埋もれてしまっているので不可。

写真の色と文字の色を揃えると調和が生まれる。

文字の色を写真から採る理由は「一体感」です。
一般的なグラフィックはビジュアル(写真)と文字で構成されていますが、文字の色が「黒・白・金赤」の3色だけでは、写真のイメージを壊してしまう可能性があります。
そういった場合には写真と同系色の文字の色を使うことで調和がとれて、グラフィックを成立させることが出来るのです。

今回の手法はそれほど特別な知識を必要とするわけではないので、グラフィック初心者の方は積極的に試してみてください。


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