【初心者向けグラフィックデザイン、その1】文字の色の基本は「黒・白・金赤」の3色
今回はグラフィックデザインにおける文字の色についてです。
以前まではグラフィックデザインをするならAdobeのイラストレーターが必須で、「グラフィックデザイン=プロの作るもの」という時代でした(それよりも昔は割愛)。ですが最近はスマホが普及し、誰でもアプリ内で気軽にグラフィックを作れるようになり、SNS等には大量のグラフィックが存在します。
気軽にグラフィックを作れることはもちろん良いことなのですが、知識が乏しいのか勢いのままに作られているのか、中には文字が見づらい(読めない)グラフィックがあります。
自己表現(自己満足)としてのグラフィックならばそれでも良いのですが、「グラフィックデザイン」とした場合には、読み手に文字や情報を効果的に伝えなければなりません。
そこで今回から何回かに分けて、グラフィックデザインではどのように文字の色が決められているか、文字の色の基本的な決め方を説明していこうと思います。
文字の色の基本は黒、白、金赤の3色
もし近くに本棚があるなら、棚に並んでいる本の背表紙を良く観察して下さい。殆どの本の背表紙では、タイトルやそれに続くコピーに黒か白の文字が使用されているはずです(漫画は除く)。
本の背表紙の文字は読まれることを第一としてますから、周囲の色との干渉が少なく、可読性の高い色を使用しなくてはなりません。それが黒と白なのです。
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| 本棚のイメージ画像。本の背表紙の文字には黒が最も多く使用されます。 白文字もありますが、背表紙に黒文字、色の付いた帯に白文字というパターンが多いと思います。 |
次の金赤というのは印刷用語で、実際の色味としてはユニクロやトヨタ自動車のロゴに使用されているような赤色のことです。
金赤は強調色なので、グラフィック上で目立たせたい箇所に使用する他、企業のロゴやプライス(価格)、注意文などに多く使用されます。
次に具体的な例を挙げます。
| 映画「ミッション:インポッシブル/ゴーストプロトコル」のブルーレイジャケット (amazonより) |
| 映画「ミッション:インポッシブル/ゴーストプロトコル」のDVDジャケット (amazonより) |
上はトム・クルーズ主演の映画「ミッション:インポッシブル/ゴーストプロトコル」のブルーレイとDVDのジャケットです。
見てわかるように、文字には黒・白・金赤の3色しか使用されていません。また、ブルーレイとDVDでは写真が違うため、「GHOST PROTOCOL」の文字の色を黒と白とで使い分けています。
この3色の色使いは歴代の「ミッション:インポッシブル」に共通するデザインで、他にも「ダイ・ハード」や、邦画「探偵はBARにいる」シリーズ、テレビドラマ「科捜研の女」シリーズでもこの3色が多用されています。
採り上げる例としては偏ってしまった感もありますが、グラフィックデザイン、特に文字には黒・白・金赤が多く使用されることが理解できると思います。
以下ではサンプルとして作った簡単なグラフィックでの説明です。
作例1:黒・白・金赤の文字の3パターンで、雑誌の表紙をデザインしてみる。
簡単なサンプルグラフィックを作ってみました。アメリカの東西を貫く道路である「ルート66のガイド誌の表紙」というコンセプトで、文字に使用する色は黒、白、金赤の3色。全ての文字に1色のみを使用した3パターンです。
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| 全ての文字の色を統一し、黒・白・金赤での3パターン |
3パターンを解説しますと、
1. 全ての文字に黒を使用した場合
文字が黒の場合、可読性は高いのですが、全体的に暗いイメージとなります。雑誌の表紙としてはあまり適していません。
2. 全ての文字に白を使用した場合
2. 全ての文字に白を使用した場合
文字が白の場合、この中では可読性が最も高く、クリーンなイメージとなります。
3パターンの中では、一番書店に並んでいそうな気がします(実際には無しですが)。
3. 全ての文字に金赤を使用した場合
3パターンの中では、一番書店に並んでいそうな気がします(実際には無しですが)。
3. 全ての文字に金赤を使用した場合
文字が金赤の場合、非常に強いイメージとなります。全体に使用するかは別として、強調したい箇所には金赤を使うことが効果的だと理解できます。
作例2:黒・白・金赤の3色を組み合わせてデザインする。
作例1を踏まえて、黒、白、金赤を組み合わせてデザインします。
ポイントとして、黒と白は読みやすさ優先、金赤は目立たせたい箇所や装飾的に使用します。
ポイントとして、黒と白は読みやすさ優先、金赤は目立たせたい箇所や装飾的に使用します。
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| 3色の文字を組み合わせたデザイン。 |
1. タイトルに黒を使用した場合
依然としてイメージは暗いです。没案となります。
2. タイトルに白を使用した場合
3パターンの中では最も「普通」なデザインです。ショルダーコピーが金赤で可読性が損なわれていますが、読める範囲です。優先すべきはタイトルなので、このままでOKと判断します。
3. タイトルに金赤を使用した場合
タイトルに強さがあって良いのですが、その上のショルダーコピーの方が可読性が高いので、どうしてもそちらに目が行ってしまいます。ショルダーコピーの文字のサイズを小さくする、または効果を加えるなど、何らかの対策が必要となります。
まとめ:3色の文字だけでもデザインを作ることが出来る。
今回は黒、白、金赤の3色の文字という制約でグラフィックを作ってみました。グラフィック初心者は沢山の色を使ってデザインする傾向がありますが、少ない色でもデザインを成立させることが出来ると分かると思います。
皆さんもグラフィックを作る際は、この3色を基本として作業してみてください。
次回では今回と異なる考え方で、文字の色を決めていきます。




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